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災害リスクの低いエリアはどこか — 液状化・洪水・土砂災害データで比較

2026年3月18日

不動産を買うとき、駅からの距離や築年数は誰でも気にする。だが災害リスクはどうか。ハザードマップの存在は知っていても、複数エリアのリスクを横並びで比較した経験がある人はほとんどいないと思う。

FUDOSAN DBでは、国土交通省が公開する液状化危険度、洪水浸水想定面積率、土砂災害警戒区域面積率を市区町村単位で収録している。この記事では人口10万人以上の都市に絞って、災害リスクが低いエリアと高いエリアを具体的な数値で比較する。

災害リスクが低いエリア — 上位7市区

洪水浸水想定面積率0%、土砂災害警戒区域面積率ほぼ0%、液状化リスクも普通以下。人口10万人以上の都市でこの3条件を満たすエリアを抽出した結果がこれだ。

市区町村 液状化 洪水 土砂 地価(円/m²)
北区(北海道) 普通 0% 0% 95,618
戸田市(埼玉県) 普通 0% 0% 294,200
東区(北海道) 普通 0% 0% 118,125
南区(埼玉県) 普通 0% 0% 296,600
白石区(北海道) 普通 0% 0.1% 121,681
江別市(北海道) 普通 0% 0.1% 45,902
千歳市(北海道) 低い 0% 0.2% 50,184

7エリア中5つが北海道。地価は5万〜12万円/m²と、首都圏の3分の1以下だ。埼玉県の戸田市と南区は29万円台で、災害リスクの低さと首都圏へのアクセスを両立した数少ない選択肢と言える。

北海道が上位を占める理由

洪水や土砂災害のリスクは地形と降水量に大きく左右される。北海道は台風の直撃が少なく、梅雨もない。急峻な山地と住宅地が隣接するケースも本州ほど多くない。この気候的・地形的な特性が、データ上の低リスクとして表れている。

ただし、災害リスクが低い=住みやすい、ではない。冬季の積雪量は本州と比較にならず、暖房コストは年間で数十万円に達する地域もある。除雪や凍結路面の問題もあるから、災害データだけを見て移住を決めるのは危うい。

もうひとつ補足すると、千歳市は液状化リスクが7エリア中で唯一「低い」と評価されている。台地上に位置する地質的な安定性に加え、新千歳空港があることで交通アクセスも悪くない。地価5万円/m²は、リスクの低さに対して割安だと思う。

リスクの高いエリアとその裏側

反対に、災害リスクが高い都市はどこか。

市区町村 液状化 洪水 土砂 地価(円/m²)
墨田区(東京都) やや高い 25.0% 8.3% 540,455
足立区(東京都) やや高い 32.1% 10.7% 378,986
尼崎市(兵庫県) やや高い 42.1% 0% 201,833

尼崎市は市域の42.1%が洪水浸水想定区域に該当する。武庫川と猪名川に挟まれた低地が大部分を占めるためで、数値としては相当に高い。それでも地価は20万円/m²台を維持している。大阪・神戸の中間に位置する交通利便性が、リスクを織り込んでなお需要を支えている格好だ。

墨田区も興味深い。洪水25%、土砂8.3%、液状化やや高い。東京23区の中でもリスクが集中するエリアだが、地価は54万円/m²と、低リスクの北海道エリアの5倍以上。都心へのアクセス、商業集積、そしてスカイツリー開業後の再開発が価格を押し上げている。災害リスクと不動産価格は、必ずしも連動しない。

足立区は23区で最も手頃な価格帯だが、洪水32.1%は区面積の約3分の1にあたる。荒川と隅田川の合流地点という地形的な宿命がある。北千住駅周辺の再開発で注目されているエリアだが、購入前にハザードマップの確認は欠かせない。

気になるエリアの災害リスクを調べる

この記事では人口10万人以上の都市だけを取り上げたが、FUDOSAN DBには全国1,741市区町村の災害リスクデータが収録されている。自分が検討しているエリアのリスクを確認する方法は2つある。

不動産の価格は立地と築年数でほぼ決まるが、30年、40年と住み続ける前提なら、災害リスクは価格と同じくらい重い判断材料になる。データは公開されている。見るかどうかは、買い手の姿勢次第だ。

災害リスクをエリアごとに確認する

FUDOSAN DBでは全国の市区町村ごとに災害リスク、地価、取引データを無料で公開しています。地図からの直感的な操作にも対応。

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