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データ活用

MCPで不動産データを扱う方法

2026年3月22日 · 12分で読める

不動産データの分析にSQLやAPIを使うのが面倒だと感じるなら、MCPという選択肢がある。AIアシスタントに日本語で質問するだけで、不動産DBの取引データ、地価推移、人口動態、災害リスクを横断的に分析してくれる。

MCPとは何か

MCP(Model Context Protocol)はAnthropicが策定したオープンプロトコルで、AIアシスタントが外部のデータベースやAPIに直接アクセスするための仕組みだ。従来はユーザーがAPIを叩いてデータを取得し、それをAIに貼り付けて分析を依頼していた。MCPを使えば、AIが自分でデータを取りに行く。

Claude Desktop、Claude Code、Cursor、Windsurf等のMCP対応クライアントであれば、設定ファイルに不動産DBのエンドポイントを追加するだけで使える。

セットアップ

Claude Desktopの場合

Claude Desktopの設定ファイルに不動産DBのMCPサーバーを追加する。

{
  "mcpServers": {
    "fudosandb": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "mcp-remote",
        "https://fudosandb.jp/mcp"
      ]
    }
  }
}

設定ファイルの場所はOSによって異なる。macOSなら ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json、Windowsなら %APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json だ。

Claude Desktopを再起動すれば、不動産DBのツールが自動的に読み込まれる。APIキーの設定は不要で、無料プランの範囲で利用できる。

使えるツール

MCPを通じて以下のツールにアクセスできる。

ツール名 機能
get_area_profile 市区町村の詳細プロフィール。人口、地価、取引件数、災害リスクを一括取得
get_price_trends 不動産取引価格の推移データ。物件種別ごとの年次推移
get_land_price_trends 地価公示の経年データ。住宅地・商業地の用途別推移
search_areas エリア名での検索。部分一致対応
get_rankings 地価上昇率、人口増減率などの指標でランキング取得
screen_areas 複数条件でエリアをフィルタリング
estimate_rent 賃料推定。LightGBM+XGBoostのアンサンブルモデル(API・MCP の入力条件での実測 MAPE 約11.2%[都市部]・約10.9%[地方]=最小条件。駅名・建物種別を渡すと約9.3%。2026-08-10 訂正)

AIがこれらのツールを自動的に選択して呼び出すので、ユーザーはツール名を覚える必要はない。日本語で聞けばいい。

実践的なプロンプト例

エリア分析

プロンプト 渋谷区の不動産市場を分析して。地価推移、取引件数、人口動態、災害リスクを含めて。

AIがget_area_profile、get_price_trends、get_land_price_trendsを順に呼び出して、渋谷区の総合分析を返す。人間がAPIを3回叩いてデータを結合する手間が省ける。

条件付きスクリーニング

プロンプト 液状化リスクが低くて、人口が増えているエリアを探して。できれば地価が上昇傾向のところ。

screen_areasツールが複数条件を組み合わせてフィルタリングする。条件が曖昧でもAIが適切なパラメータに変換してくれる。

エリア比較

プロンプト 東京23区のマンション価格を比較して。上位5区と下位5区を出して。

get_rankingsでランキングを取得し、上位・下位それぞれのget_area_profileを呼び出して比較表を作成する。

賃料推定

プロンプト 渋谷区の1LDK、40m²、築10年、駅徒歩5分のマンションの想定賃料を教えて。

estimate_rentツールが呼ばれ、LightGBMとXGBoostのアンサンブルモデルで推定結果を返す。全国対応。【2026-08-09 訂正】当初ここに記載していた「都市部MAPE 1.6%・全国MAPE 2.0%」はモデル学習ホールドアウト条件の値で、(1) API・MCP の入力条件(位置は市区町村コード粒度)での測定ではなく、(2) 評価集合に同一物件の重複行が含まれていた。API・MCP の入力条件で実測した MAPE は約11.2%(都市部9都府県)・約10.9%(地方38道県)です(2026-08-10 測定、学習に使われていない物件のみ・重複行除外。位置も建物種別も足さない最小条件の値)。任意の駅名・建物種別を渡すと約9.3%まで改善します。【2026-08-10 訂正】本記事が 2026-08-09 版で記載していた「約11%/約10%、駅名で約9%」は、測定時に建物種別を渡していた条件の値で、当時の API・MCP は建物種別を送っていなかったため実際の入力条件より有利でした。推定値そのものは変わっていません。地域差があり福岡県は約23%です。

REST APIとの使い分け

MCPは対話的な分析に向いている。探索的にデータを掘り下げたい場合や、複数のデータソースを横断して分析したい場合はMCPが効率的だ。

一方、定期的なデータ取得や大量処理にはREST APIが適している。毎日の地価データ収集、バッチ処理での賃料推定、アプリケーションへの組み込みはAPIで行うべきだ。

用途 推奨
探索的分析、アドホックな質問 MCP
定期データ取得、バッチ処理 REST API
アプリケーション組み込み REST API
レポート作成、資料用データ収集 MCP

料金

MCPの利用自体に追加料金は発生しない。REST APIと同じ料金体系が適用され、Freeプランでは1日100リクエストまで無料で利用できる。Proプランではリクエスト上限が引き上げられ、大量利用や法人プロダクトへの組み込みはEnterpriseプランで個別に対応する。詳細は料金ページを確認してほしい。

MCPの詳細なセットアップガイド

Claude Desktop、Claude Code、Cursor等のクライアント別セットアップ手順と、全ツールのパラメータ仕様を掲載しています。

MCPガイド 開発者ページ