ブログ > 2050年の人口で見る投資エリア
人口・エリア

2050年、人口が増える街は全国で74しかない

2026年6月20日 · 6分で読める
日本列島:人口が増える少数の地点と減る多数の地点

不動産投資でいちばん怖いのは、高く買わされることだ。でも本当に効いてくるのは、その先にある。買ったあとに売れない、家賃が下がる、入居が決まらない。エリアの将来人口は、その全部に直結する。

不動産DBには国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口が250mメッシュ単位で収録されている。約771,000メッシュ、2020年から2050年までの推計だ。これを市区町村単位で集計すると、絵がはっきり出る。

この記事の要点
  • 2050年に人口が増えるのは、全国で74市区町村だけ。残りはすべて減る。
  • うち312市区町村は4割超の激減。ここは「今の利回り」が高くても出口が読みにくい。
  • 利回りは買うときの数字、人口は売るときの数字。両方を市区町村単位で並べて見るのが、業者の言い値に飲まれないいちばん安い方法だ。

2050年の地図:増える74、減る1,560

市区町村ごとの2050年推計人口を集計すると、こう分かれる。増える街は全体の5%に満たない。

2050年の人口市区町村数
増える74
微減(0〜−20%)531
減る(−20〜−40%)717
激減(−40%超)312
2050年、人口が増える市区町村は全国で74しかない
全国1,634市区町村の2050年推計人口(出典: 国立社会保障・人口問題研究所 地域別推計 / 不動産DB集計 2026-07)

増減の幅も大きい。人口が増える上位は東京都中央区+16.6%、港区+15.9%、千代田区+14.4%。一方、減少の下位は千葉県銚子市−46.0%、北海道小樽市−45.1%、愛媛県宇和島市−41.3%。同じ日本で、片方は17%増え、片方は46%近く減る。多くの投資家が「地方は利回りが高い」と聞いて検討するエリアの大半は、25年かけて人口が2〜4割減っていく側にある。

人口が減るエリアがすべて駄目なわけではない。減り方が緩やかで、駅前に需要が残り、地価が底堅い街はある。問題は、減少の度合いと地価の動きを、検討しているその市区町村について具体的に知っているかだ。

「今の利回り」だけで買うと何が起きるか

地方の一棟物件では、都心の区分より高い表面利回りが提示されることがある。数字だけ見れば魅力的だ。だが利回りは「今の家賃 ÷ 今の価格」でしかない。25年後にその家賃が取れる保証も、その価格で売れる保証も、利回りには入っていない。

出口で効くのは次の3つだ。

たとえば小樽市は人口101,222人で、2050年には45.1%減る推計だ。住宅地価も前年比−2.2%と下げている。宇和島市は人口50,688人で41.3%減る推計だが、住宅地価は前年比+0.9%で、小樽とは地価の動きが違う。人口の減少率だけで結論を出すのではなく、家賃下落・空室期間・売却期間・地価の方向を同じ市区町村でそろえて見る必要がある。判断材料を持っているかどうかの差だ。

「増える側」も中身を見る

人口が増える、あるいは地価が上がっているエリアは確かにある。ただし2025年の住宅地価は全国的に上がったが、上昇率には街によって大きな差があり、地価が上がる街と将来人口が増える街は一致しない。地価の勢いと人口の方向は別物として見る必要がある。

自分の検討エリアを逆引きする

「あなたが見ている市区町村は、74の増える側か、312の激減側か」。これは記憶や勘ではなく、データで引ける。不動産DBでは、市区町村ごとに2050年までの人口推計、住宅地価とその前年比、年間の取引件数、浸水・土砂災害リスクをまとめて見られる。

利回りは買うときの数字、人口は売るときの数字。両方をそろえて見れば、業者が出してくる「今だけ」の利回りに、自分の物差しを当てられる。

MCPでAIにエリア診断を任せる

不動産DBのMCPサーバーをClaude等のAIに接続すると、「○○市の2050年人口推計と地価推移を出して」「人口が増えるエリアのランキングを教えて」といった質問に、データに基づいた回答が得られます。

MCP接続ガイドを見る

本記事は公開データ(国土交通省 不動産情報ライブラリ、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計)にもとづく統計情報であり、特定の物件・地域の購入や売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。数値は2026年6月時点の集計です。