2050年に人口が増えるエリア、減るエリア
日本全体の人口は減る。2050年には現在から約30%減少するという推計が出ている。だが、すべてのエリアが均等に減るわけではない。都心部の一部は2050年にかけて10%以上人口が増え、地方では半減に近いペースで人が消えていく。この差が、不動産価格にそのまま反映される。
人口が増えるエリア TOP8
国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口をもとに、2050年時点の人口増加率が高い市区町村を並べた。
| エリア | 都道府県 | 2050年人口増減率 | 地価の傾向 |
|---|---|---|---|
| 中央区 | 東京 | +17.4% | 前年比+14.2%上昇 |
| 中城村 | 沖縄 | +16.2% | 沖縄中部の成長エリア |
| 港区 | 東京 | +15.8% | 前年比+12.9%上昇 |
| 千代田区 | 東京 | +14.3% | 23区最高水準の地価 |
| 流山市 | 千葉 | +12.2% | TX開通後の急成長 |
| 台東区 | 東京 | +10.5% | 下町エリアの再評価 |
| 印西市 | 千葉 | +10.2% | データセンター集積地 |
| 守谷市 | 茨城 | +9.3% | TX沿線の住宅需要 |
パターンは明確だ。都心3区と、つくばエクスプレス沿線の千葉・茨城に集中している。
中央区は+17.4%で全国トップ。晴海フラッグに代表される湾岸再開発が人口流入の直接的な原因だ。地価も前年比+14.2%と上昇を続けており、人口増加と地価上昇が同期している。港区も+15.8%で同じ構図にある。
流山市、印西市、守谷市はいずれもTX沿線。流山市は子育て世代をターゲットにした自治体マーケティングが成功し、人口増加率で首都圏の郊外トップに立った。印西市はデータセンター集積による雇用増加も追い風になっている。
人口が大きく減るエリア TOP6
| エリア | 都道府県 | 2050年人口増減率 | 現在の地価水準 |
|---|---|---|---|
| 銚子市 | 千葉 | -46.1% | 32,220円/m² |
| 小樽市 | 北海道 | -45.2% | 18,053円/m² |
| 宇和島市 | 愛媛 | -41.2% | 地方中核以下の水準 |
| 河内長野市 | 大阪 | -38.7% | 大阪府南部の郊外 |
| 桐生市 | 群馬 | -38.0% | 北関東の地方都市 |
| 室蘭市 | 北海道 | -37.8% | 製鉄業縮小の影響 |
銚子市は2050年に人口が半減に近い-46.1%。現在の地価は32,220円/m²で、中央区の数百分の1だ。小樽市も-45.2%で、観光地としての知名度とは裏腹に人口流出が止まらない。
河内長野市が-38.7%なのは注目に値する。大阪府内のエリアでも、都心から離れた南部の丘陵地帯は急激な人口減少に直面する。同じ府内でも大阪市中央区や北区は人口増加傾向にあり、府内での二極化が鮮明だ。
人口増減と地価の相関
人口増加率は不動産投資の最も信頼できる先行指標の一つだ。データで見ると、人口増加エリアの地価は増加エリア全体で年5~14%上昇しているのに対し、人口減少エリアの地価は横ばいか下落傾向にある。
具体的な倍率で比較すると、中央区の地価は銚子市の数十倍に達する。もちろん東京都心と千葉県東端を直接比較すること自体がナンセンスだが、この価格差の背景には「将来の人口がどう動くか」という市場の予測が織り込まれている。
人口が増えるエリアでは住宅需要が維持され、地価は底堅い。人口が減るエリアでは空き家率が上昇し、需給バランスが崩れて価格が下がる。この構造は今後25年間、加速する一方だ。
スクリーナーで人口増減率を確認する
FUDOSAN DBのスクリーナーでは、人口増減率をフィルタ条件として指定できる。人口が増えているエリアだけに絞り込んだり、地価上昇率と組み合わせて検索することが可能だ。