災害リスクが低い住みやすいエリアTOP10
不動産を選ぶとき、価格や利便性に目が行きがちだが、災害リスクは物件の長期的な価値を左右する。FUDOSAN DBに収録されたハザードデータを使い、人口5万人以上の市区町村に絞って災害リスクの低いエリアを調べてみた。
結論を先に言うと、液状化・洪水・土砂災害の3指標すべてが低いエリアは極めて少ない。大半の市区町村は何かしらのリスクを抱えている。
データの前提
FUDOSAN DBの災害リスクデータは、国土交通省が公開するハザードマップ情報をz=14レベルの地域メッシュで集計したものだ。具体的には液状化リスクレベル、洪水浸水割合、土砂災害割合の3指標を使う。
注意点が一つある。すべてのエリアにデータが揃っているわけではない。タイルデータの整備状況は地域によって差があり、データが欠損しているエリアもある。この記事のランキングはデータが取得できたエリアのみを対象にしている。
洪水・土砂災害が低いエリア
洪水浸水割合と土砂災害割合の両方が低いエリアを抽出すると、意外な顔ぶれが並ぶ。
| エリア | 都道府県 | 洪水浸水割合 | 土砂災害割合 | 液状化リスク |
|---|---|---|---|---|
| 中区(岡山市) | 岡山 | 0.0% | 低 | やや高い |
| 東区(岡山市) | 岡山 | 0.0% | 低 | やや高い |
| 石巻市 | 宮城 | 0.0% | 低 | やや高い |
| 須坂市 | 長野 | 0.7% | 0.6% | やや低い |
| 南アルプス市 | 山梨 | 0.9% | 0.4% | やや低い |
須坂市と南アルプス市は、液状化リスクも「やや低い」に分類される珍しいエリアだ。ただし、人口規模はそれぞれ5万人前後で、商業施設や交通アクセスは都市部と比較にならない。リスクの低さと生活利便性はトレードオフの関係にある。
東京23区の災害リスクは高い
比較のために東京23区を見ると、災害リスクの高さが際立つ。
| 区 | 洪水浸水割合 | 液状化リスク |
|---|---|---|
| 江戸川区 | 43% | やや高い |
| 葛飾区 | 38% | やや高い |
| 足立区 | 32% | やや高い |
江戸川区は面積の43%が洪水浸水エリアに該当する。荒川と江戸川に挟まれた低地という地形上の制約だ。葛飾区、足立区も同様の傾向にある。これら東部3区のマンション価格が西部に比べて割安なのは、利便性だけでなく災害リスクも反映されていると見ていい。
都心の港区や千代田区は洪水リスクが相対的に低い。高台に位置するエリアが多いことと、治水インフラが集中的に整備されていることが理由だ。その分、地価は23区トップクラスになる。
液状化リスクの全体傾向
データを俯瞰すると、液状化リスクが「やや高い」以上のエリアが大半を占めることがわかる。特に沿岸部や河川沿いの平野部は軒並み高い。
液状化リスクが「やや低い」に分類されるのは内陸部の台地や山間地に集中しており、須坂市や南アルプス市がまさにこのパターンだ。逆に言えば、人口集積地の多くは沖積平野に形成されているため、液状化リスクからは逃げにくい。
リスクの低さだけで選ぶのは現実的か
正直に言えば、災害リスクの低さだけで住む場所を選ぶ人は少ない。通勤、子育て、医療アクセスなど、生活上の制約が先に来る。
ただ、同じ都市圏内でもエリアによってリスクは大きく異なる。東京で言えば、足立区と世田谷区では洪水リスクに10倍以上の差がある。同じ予算帯で複数の選択肢があるなら、災害リスクは判断材料に加えるべきだ。
自分のエリアの災害リスクを調べる
FUDOSAN DBでは市区町村ごとの災害リスクデータをエリア詳細ページで公開している。気になるエリアの洪水浸水割合、土砂災害割合、液状化リスクレベルを具体的な数値で確認できる。