湾岸タワマン、実際に成約した価格
湾岸のタワーマンションで「値下げ」が話題になっている。ただ、そこで下がっているのは売主が最初に付けた売出価格だ。実際に取引が成立した成約価格は、別の数字として動いている。国土交通省の不動産取引価格情報(実際の取引の届出データ)で、湾岸6地区の成約価格を5年分並べた。値下げの議論に、成約側の事実を置いておきたい。
成約の床は、5年で1.5〜2.2倍に上がった
豊洲・晴海・勝どき・有明・東雲・月島の中古マンション成約価格を、専有面積あたりの地区中央値で見る。2020年から直近まで、6地区すべてが右肩上がりだ。勝どきは96万円/㎡から212万円/㎡へ、5年で2.2倍。最も伸びの緩い月島でも+47%上がった。
売出価格の値下げがニュースになっても、成約の中央値そのものは上がり続けている。値下げは、そもそもピークの強気な売出価格から始まっていることが多い。都心中古で売出と成約の開きが「ワニの口」と呼ばれ、2026年2月に全国報道されたのと同じ構図だ。売出価格の値下げと、成約価格の下落は、分けて読む必要がある。
いまの成約水準
直近1年の成約中央値。勝どきが坪702万円で頭ひとつ抜け、晴海617万円、豊洲579万円と続く。どの地区も成約件数は124〜280件あり、たまたま出た高値ではない。
| 地区(直近1年) | 成約㎡単価 | 坪単価 | 成約件数 |
|---|---|---|---|
| 勝どき | 212.5万円 | 702万円 | 265件 |
| 晴海 | 186.7万円 | 617万円 | 280件 |
| 豊洲 | 175.0万円 | 579万円 | 276件 |
| 有明 | 155.6万円 | 515万円 | 207件 |
| 月島 | 155.6万円 | 515万円 | 124件 |
| 東雲 | 126.7万円 | 419万円 | 173件 |
晴海の築浅、実際に決まった価格
晴海では2024年以降、築0-2年の取引が119件まとまって発生した。この築年帯と時期は、当地区で大型の新規開発の売買が本格化した局面と重なる。本データは地区名の粒度なので、特定の物件名までは出さない。
その119件の成約中央値は161.9万円/㎡(坪535万円)、総額1.4億円、専有80㎡。四分位範囲は141〜200万円/㎡。数千万円規模の値下げが話題になっても、実際に決まっている価格はこの水準にある。
広さより立地。㎡単価は面積で変わらない
直近1年を面積帯で割ると、40-60㎡も80㎡超も、㎡単価はほぼ同じ約170万円/㎡(坪560〜580万円)だった。湾岸では総額がほぼ面積で決まる。40-60㎡の中央値は8,600万円、80㎡超なら1.5億円。狭い部屋を選んでも坪単価は下がらない。
| 面積帯(直近1年・6地区計) | 成約㎡単価 | 総額中央値 | 成約件数 |
|---|---|---|---|
| 40-60㎡ | 173.3万円 | 8,600万円 | 255件 |
| 60-80㎡ | 169.2万円 | 1.1億円 | 632件 |
| 80㎡以上 | 175.0万円 | 1.5億円 | 362件 |
- 湾岸の値下げは売出価格の話。成約価格は5年で1.5〜2.2倍に上がり、直近は坪419〜702万円。
- 晴海の築浅119件の成約中央値は坪535万円・総額1.4億円。
- ㎡単価は面積帯によらず横並びの約170万円/㎡。総額はほぼ面積で決まる。
取引単価の築年別・エリア別の内訳、REIT分析、AI賃料推定、REST APIとMCPまで。キャンペーン価格は解約しない限り継続します。締切は7月31日です。
プランを見る本記事は公開データ(国土交通省 不動産取引価格情報)にもとづく一般的な解説であり、特定の物件・地域の購入や売却を推奨するものではありません。成約価格は取引時点の実績で、将来の価格を保証するものではありません。集計は地区名粒度であり、特定のマンションの価格を示すものではありません。